48Pの情熱 | ALLIV for "coelacanth"



2月の始めのとある日のこと。仲の良い友人(というには歳が離れているけれど、それ以外の言葉が見つからない)から電話があった。


彼の名前は孫 兆軒。ファッションモデルを本業にしていて、まぁみんなが知っているだろう大きなファッションブランドでたまに見かけたり、この間まで地上波の大企業CMでVRゴーグルを装備して卓球をしたりしていた。売れっ子とまではまだまだ行かないけれど、それなりに良いペースで階段を登っているんじゃないかっていう個人的な認識。


そんな彼が電話の向こうで発したのが「モデル以外のスキルを身につけたい」という言葉。せっかく服が好きでこの業界に単身飛び込んで、服に溢れた良い環境に身を置けているのだから、ただ撮られるだけでなく自分もクリエイティブ側にも回ってみたいという熱い気持ちを伝えられた。

僕も彼とは結構長い付き合いだし、昨年の夏にはLOOKのモデルをやってもらったり、ちゃんとCOELACANTHが好きだし、なにより人間として信頼しているから、その思いと勢いと情熱を何かカタチしたくなった。






相談を重ねた結果、彼のディレクションでチームを集め、モデルサンプルとしてCOELACANTHにフォーカスを当てたコンテンツを作ろう。僕の頭の中ではウェブマガジンみたいな物を想像していたけれど、もっと物質的に紙媒体を作りたいという彼の拘りからZINEみたいな物にしようかという話でまとまった。

僕も、自分以外の誰かの視点からCOELACANTHを見てみたいし、若い世代の美学みたいなものを信じてみたくなって、一切の口出しはしない約束の元にプロジェクトが動き出した。

日が進むと共に少しずつチームを集め、ロケハンを済ませ、スタイリングとプロップを物色し、3月末に撮影。

レンタカーまで手配した彼らは神奈川の海辺に出掛けた。








本には採用されなかったアザーカットを掲載しています。



正直、最初は話半分に聞いていたし、何人もの力を必要とするこの企画が上手くいくとは思えなかった。動き出せなかったり、どこかで挫折したり、燃え尽きたりする可能性を考えてしまっていたけれど、孫 兆軒の熱い気持ちに引っ張られ、真剣に向き合った彼らはとても良い本を作り上げた。
スキルとエネルギーを集約させて、僕の想像を大幅に超えてきた。



僕も店舗を出す時に「やりたいって言うだけの人間は沢山いるけれど、実際にやる人間は一握りしかいない」なんて称賛されたことがある。だからこそ、足踏みせずに動き出し、結構な費用と多大な労力をかけ、一つの作品として気持ちを形に変えた彼らが本当に格好良いと思う。



利益無視のプロトタイプとして生まれた、マガジン 兼 軽写真集的「ALLIV for "coelacanth"」。限られた部数しかないですが、48ページの中に込められた情熱に触れてほしい。

販売価格2,000円(税込)。もしくは当店で20,000円以上のお買い上げを頂いた方に先着順で贈呈させて頂きます。ご希望のお客様はお会計時や通販の備考欄にてお申し付け下さい。

ご覧になられた方は、彼らの進化の為に忖度のない感想を聞かせてもらえると嬉しい限りです。




ALLIV for "coelacanth"

Photographer: 山元良仁
Stylist: 中江悠人
Model: 浅原帝斗
Graphic Design: 木村勇輝

 Edit & Direction: 孫 兆軒







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