涼しくないけれどめちゃくちゃ格好良い洋服 | Urig


 



長い連休が終わり、いつも通りの生活が戻って来た。

今年は遠方からわざわざご来店頂けるお客様も多く、随分と楽しい時間を過ごさせて頂きました。沢山のご来店ありがとうございました。皆さんの素敵な思い出の一つになっているととても嬉しいです。

人によっては9だか10だかの連休となった今年のGW。僕は怒涛の12連勤。

途中でリミッターが外れて余裕だと思っていましたが、昨夜の営業を終えた瞬間に疲れが押し寄せてきた。連勤が終わったら浴びるように酒を飲み、アラームをかけず限界まで寝ることを楽しみにしていたにも関わらず、飲み始めから二時間ほどで睡魔が押し寄せ、今朝はいつも通りの時間に目が覚める。特にやりたいこともなかったので変わらずにこうやってキーを叩いています。


GWが明けると共に現れる夏を目前としたムード。気温はすでに初夏。本来であれば涼しい服を紹介した方が良いんだろうけれど、世間体を気にする必要もない趣味の店なので、あまり涼しくないけどめちゃくちゃ格好良い服を紹介します。








Urig 2023SSコレクションの頭を張るジャケット。

COELACANTHにお馴染み?の人ならなんとなくわかる人もいると思う。僕のストライクゾーンど真ん中ってことが。大谷よりも佐々木よりも早いド直球。それをレフトスタンドに突き刺します。めちゃくちゃ格好良い。


デザイナーの綾さんがドイツで暮らしていた時に見つけたという、一着のアンティークのジャケットが着想源。買えなかったらしいんだけど忘れられなかったんだろうな。古着ってそういうところある。


その買えなかったけど忘れられなかったジャケットを思い返して、あーだったかこーだったかと想像しながらオリジナルでパターンを起こしたらしい。踏襲しながらも真似ずに、今にも昔にもなかった形を目指して。








ぱっと見で思い浮かべたのは、19世紀末から20世紀初頭くらいのフランス古着で見つかるサックコート。ドイツで見たというのもその類じゃないだろうか、多分。

狭いVゾーンから弧を描いて傾斜していく前立て。一見はクラシックを踏襲しているんだけど、ひたすら広く身幅を取ってたり、見慣れないスラッシュポケットが付いてたり、ラペルを立てると立ち襟に変わったり。確かに唯一無二。








 
素材はリネンモールスキン。リネンを丁寧に手作業で毛羽立たせたというUrigのオリジナル。ファーストタッチはモールスキンらしくふわりと。後からリネンらしい渇きとザラつきを感じる。

表面は杢目とネップを含んだ素朴さがある。少し離れてみると水気を感じるような上品な艶が全体を包んでいて、色々な角度で光にかざしたくなる。

オリジナルで作ったから良い生地だって時代じゃないけど、これは確かに見たことがない。とても面白い。








 

背面にはアイコニックな刺繍。ドイツと日本で共に国花に指定されている「菊」をモチーフにトライバルを製作し大胆に叩いている。

ジャケットは花、共地のパンツには茎。上下一組のセットアップスタイルだけど、パンツはUrigの名作3TUCK PANTSだから別々で着ても当たり前にめちゃくちゃ格好良い。








内ポケットは大ぶりなのが4つ。収納力大。鞄いらず。男子の味方。

フロントに連なるボタンはホーンボタンに焼き目を入れ、裏地は綿麻の素朴な生地を当てる。袖捲りしても格好良いのは唯一の春夏らしいところ。

ディテールもユーザビリティも気を抜かない。Urigの洋服への情熱。




Urig

EMBROIDERY "Urig" JACKET
JPY 92,400 tax included.

EMBROIDERY 3TUCK PANTS
JPY 50,600 tax included.



正直、春夏らしいかって言われたらリネンってところ以外は首を傾げるし、価格もそれなりに格好良いけど、そんなことはどうだっていいくらいめちゃくちゃ格好良い。

生地とかディテールとかユーザビリティとか色々書いたけど、そんなことはおまけでしかないくらいめちゃく格好良い。

一番のお洒落は季節を纏うことだって普段は言っているけど、めちゃくちゃ格好良い服だけは関係なくなる。

涼しくないのは展示会で見た時からわかってたし、それでも見た瞬間から買うことを決めていた。それくらい洋服としてのパワーがすごいです。






僕も綾さんもシーズンが変われば価値が落ちるっていうセールありきの考え方は苦手だし、この春はちょっとしか着れなくたってこの秋にもこの冬にも着てほしい。

来年だって再来年だって、5年後だって10年後だって着てほしい。

沢山着て、草臥れるまで育てて、いつかヴィンテージやアンティークを超える顔つきになるまで。


洋服だし、布ものだし、一生物なんて言葉は安易に言えないけれど、出来る限り長く長く楽しんで頂けたら本望です。

心中する気持ちで飛び込んでくれる方をお待ちしています。








___________________________________________


𝐂𝐎𝐄𝐋𝐀𝐂𝐀𝐍𝐓𝐇


1500002

Aoyama O Bldg 2F 201

2-3-3 Shibya Shibuya-ku, Tokyo.


[ mon, thu, fri ] open 1 p.m. - 7 p.m.

[ sat, sun, holi ] open 12 p.m. - 7 p.m.

[ tue, wed ] appoint only.



コメント

人気の投稿