ベッドシーツみたいなカーディガン | KIMURA
なんだか悪天が続いていますね。
雨の休日ってこうもやることがないものか。こうもうんざりするものなのか。
ああ、こんな気持ちになるんだったら雨の日の店内が寂しくなるのも頷けるなぁ。出たくないもん、家。
ということで、今日も特にやることがないのでキーを叩いています。明日は晴れの予報。なにしようかな。映画でも見に行こうかな。
別注みたいな形でお願いをした、KIMURAのNarrowing Long Cardigan。長くてデカいシャツ地のカーディガン。
インラインではsize5までの展開。木村さんは作り込みやディテールにこそ変態さが窺えるんだけど、全体像としての第一印象はかなり実直。
ここ数年のメインストリームに飲み込まれて、羅針盤が壊れたみたいにサイズ感覚を失った僕にKIMURAのsize5はまだ少し窮屈で、もっと遊びたくなった。
そこで依頼したのがインラインの規格を超えた"size 7"。生地幅を限界まで使って極限まで身幅を広げて下さいとお願いしました。
椅子にかけるとただのデカい布。遠目で見るとベットシーツ、もしくは椅子のカバーにも見える。レースカーテンにだってなり得るかもしれない。この洋服っぽくない感じはサイズだけじゃなくて素材に使われたフィンクスコットンにもあるんだろう。
世界三大綿の一つエジプト ギザコットンの中で最高品質なものだけを集めたのがフィンクスコットン。ギザコットンですら収穫量が綿全体の0.3%に満たないらしいけれど、フィンクスコットンは0.1%以下らしい。超希少。超希少な割に日本ではちらほら使われてる。流石ファッション大国。豊かだなぁ。
まぁ希少性はソースが何かもわからないので置いといて、このフィンクスコットンは光沢をシルクに、肌触りをカシミアのように称えられている。今回の生地は100/2のハイカウントブロードだからカシミアの柔らかさはないけれど、すごくサラサラで光沢は写真の通り。本当に美しい艶が広がる。
動けば動くほど光の帯が揺らめいて、沢山の生地を使った甲斐がこれだけでも十分に感じられる。
フィッティングともう一つ、僕がこのカーディガンを大きくしたかった理由がシルエットにある。KIMURAのカーディガンはパイピングのテンションが結構強め。袖先や裾でぎゅっとすぼまるからこそ、身頃やアームからのメリハリを強めたかった。
頭で思い描いた通りで、広い身幅から落ちていく生地が裾でクシャッと集まってパッカリングする。皺が出来て、艶と影のコントラストが効いてくる。
開いて羽織れば風を受けて羽ばたくし、閉じれば空気を含んで浮かんでいるみたい。着てみて、外に出て、歩いてみて、とっても面白い形になった。
カラーはインラインにあるブラックと、我儘言って作ってもらったホワイトの2色。ホワイトを提案した時は木村さんに「あんまり良くないと思います」なんて止められたけど強行。夏季に着る長袖だし、軽い色も欲しい。
シャツ地のホワイトなら良い感じに透けてくれると期待して踏み込んでみたら、狙い通りというか予想以上に良い塩梅で透けてくれた。これならプリントや色もののTシャツ、タンクトップ、キャミソールなんかと合わせてもっと楽しく着ることができる。幼少の頃、給食の時間に着せられていた割烹着っぽい懐かしさもあって可愛い。製品となった姿を見て、木村さんも作って良かったと気に入ってもらえた。
ハリツヤコシを揃えた極上のフィンクスコットンブロード。着込むほどに少しずつ力が抜けて、くたっとした落ち感が出て、コントラストがもっと強まって、もっと適当に丁度良い羽織になってくれるはず。良い素材は年老いていくを見るのも楽しい。
梅雨の湿度と肌寒さ、真夏の日差しを避け、職場やカフェの冷気から身を守ってくれる夏の羽織。分量があるのに折り畳み傘より軽いと思うから、適当に畳んでカバンの中に入れておいてもいい。
KIMURAの魅力に飛び込む準備はできただろうか。ハイエンドなシャツ地のカーディガンってだけでも新感覚だけど、この大きさはもっと新しいはず。
洋服は楽しいです。
KIMURA Narrowing Long Cardigan "exclusive size 7" col : Black, White. price JPY 28,600 tax included. ONLINE STORE |
ホワイトは生地が足りなかったそうで1枚のみの限定生産。いつの間にかブラックも残り2枚。ありがたい。ゆっくり売っていけばいいやと思っていましたが、あまり悠長にもしてられないのかもしれません。
P.S
そもそもの値段設定がおかしいくらいリーズナブルなのに、これだけ生地量増やしてもインラインと価格を揃えてくれて頭が上がりません。木村さん本当にありがとうございました。
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𝐂𝐎𝐄𝐋𝐀𝐂𝐀𝐍𝐓𝐇
1500002
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