極上のパックT | Kics Document.


私事ですが、先日また一つ歳を重ねました。気をつかわせたくないから黙っていたけれど、何かの拍子に気付いて連絡をくれたりお祝いの品を頂いたりとありがとうございました。


年齢とは特に関係がないんですが、昨年からの抱負の一つに「いいインナーウェアを身につける」という目標がありました。


一周年のときだったかな、çanomaの渡辺さんとインナーウェアについて話す機会があって。

インナーに意図的にお金をかけたことは一度もない僕に対して、渡辺さんはそれなりにお金をかける。その理由として500円の下着と5,000円の下着に "わかりやすいほどの差" はないかもしれないけれど、真剣に作られた良い物にお金を払い、僅かであっても上質となるその差を身をもって知り、解像度を上げることが作り手として重要なんだと仰っていた。


今までひたすらコスパだけを求めてインナーウェアを選び、その余剰金を洋服に回すのが当たり前だった僕は、渡辺さんの言葉がすごく格好良く思えた。

確かに自分だってシャツが3,000円で買える時代に30,000円のシャツを売っているし、100,000円を超える洋服だって扱っているのだから、身に纏う以上はインナーも蔑ろにはできないなと。


そして先月、たまたまEuphonicaの井本さんに「ウチに良いトランクスあるよ」とご紹介頂き、OLDE HOMESTEADERのトランクスを購入。一枚4,000円前後というプライスに怯みながらも三枚購入してみた結果、これがもう最高で既に買い足したくてうずうずしています。

肌に直接触れるものだからこそ素材選びと縫製がなによりも大切で、心地よくて清々しい。1日のモチベーションが全然違う。ヤクルト1000くらい違う。

物質的価値に何千円もの差はないのかもしれないけれど、もたらしてくれる幸福度が違う。QOLが上がるってこういうことか。



長い前説を経てようやく本題に入ります。







そんな上質下着にお熱になっている中で、Kics Document.からも極上のパックTがローンチされました。

ロープライスのパックTが多様に並ぶ現代において、「Kics Document.がパックTを作る意味」をとことん追求したそうで、構想から完成までに沢山のサンプルを製作し、2年の歳月を費やしたという渾身のプロダクト。

そりゃまぁ武石さんが作るんだからそんないい加減な物が出来るわけがないんだけど、展示会で触った瞬間から凄さが伝わるクオリティでした。消耗品としての肌着ではなく、しっかりと洋服として仕立てられている。








素材の選定から始まり、毛羽立ちを抑える為に手間をかけて紡績・撚糸を施した、60双のコーマ糸を丁寧に天竺で織り上げたとても柔らかい生地。肌当たりが本当に心地よくて、その違いは指先に触れた瞬間に感じとれる。

ネックバインダーは着用を重ねて伸びることも想定し、ミリ単位で調整・設計。ただ時間をかければ良い物ができるってわけじゃないけれど、この2年間の集積がちゃんと感じられるからすごい。



プライスが二枚パックで16,500円。高い。真剣に作ってるんだから当たり前だけど、パックTとして考えると普通に高い。

まずは自分が着てみようと、ここ数日、暖かい日にシャツのインナーとして何度か着用してみました。予想を大きく上回る心地良さ。本当に素晴らしい。製品としてとても美しい。

生地厚の調整も随分と試行錯誤したんだろう。厚すぎてごわつくことはなく、とは言え薄すぎて透けてしまうこともない。これ以上も以下もないような、計算し尽くされた肉感。

袖を通した瞬間からすごく気持ち良いんだけど、いつの間にか着ている感覚が無くなる。肌の一部になって着ていることを忘れてしまうような。フィッティングはゆとりがあるのにこの感覚がとても不思議。

個人的には袖丈の長さが秀逸で、一枚着としても普通に楽しめる設計になっている。
洋服屋での試着の時とか、飲みの席で暑くなった時とかでも、インナー姿が恥ずかしいから脱ぎずらいって問題を解消してくれるのはありがたい。






がっつりタックインしてたのでシワシワでごめんなさい。



今まで沢山の肌着を毎年のように買い替えてきた。一番買ったのはやっぱりHanesの3PACKだろうか。一枚換算で1,000円以下になるパックTにはすごく助けられたけど、あのへたりやすい生地とアメリカンな短い袖は、毎度消耗品としての付き合いを余儀なくされてきた。

今年からはこのパックTと、消耗品ではなく二枚の良いTシャツとして長くお付き合いします。

Hanesのおよそ8枚分、二枚で16,500円のパックTは高く感じるかもしれない。でもそれを補って上回る心地よさと清々しさ。QOLの上昇。そもそもパックT相場で考えるからであって、上質なTシャツが二枚と考えればそう高くないんじゃないだろうか。

デザインが効いた一枚13,200円のTシャツは即完だったし、一枚15,400円のタンクトップも残り僅か。ただひたむきに上質さを目指したTシャツは二枚で16,500円。あれ、急に安く思えてきた。

とにかく、もっと仕入れて私物として毎日着られる分を確保すればよかったと、今更ながらに後悔しています。

テーラーリングを熟知し、最上のシャツメーカーから始まったKics Document.のプライドが宿ったパックT。

限られた数しかありませんが、この心地良さに共感して頂けると嬉しい限りです。



Kics Document.
K/D 2P PACK TEE, WHITE x WHITE.

JPY 16,500 tax inc.



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𝐂𝐎𝐄𝐋𝐀𝐂𝐀𝐍𝐓𝐇


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