雨の季節、satouの麻の葉。 / satou

 

大嫌いな季節がやってきた。

「梅雨」。

雨が降る外は極力歩きたくない。車を所持していた田舎暮らしの前職時代は何とも思わなかったけれど、東京ではそうもいかない。

出勤のため外に出なくてはならないのに、みんな同じ気持ちだから客足は遠のく。


ただ、そんな嫌いな雨の季節の中でも、良いこともたまには見つかる。

紫陽花が見られたり、長袖が着れたり、雨を乗り越えて来てくれたお客さんに大きな感動を覚えたり。


題目の通り、satouの洋服が一際輝いて見えたり。





あっという間に月日が過ぎ、もう一月以上前になるけれど、モデルの友人に協力を頂いて春夏のLOOK撮影を行った。

春夏LOOKということで晴れの日が理想だったけど、この日は曇天+時々雨。

なんとも生憎なお天気だったけど、急遽決まったこのスケジュールの勢いを殺したくなくて決行。

雨をうまいこと躱しながら長時間の撮影を終えた。

この日、序盤に撮ったのがsatouを主軸とした2体のスタイル。

"Hatake wide pants, kinari"と"ai"のセットアップがとても良い表情をしていた。





展示会で見て、店内に並んで、ずっと素朴に映っていた麻の葉柄のキルトリネン。

そんな優しい顔つきが、曇天の仄暗く僅かな太陽光と湿度を含んだ風を受けて、なんだか凛としていた。

有機的で素朴な側面は持ち合わせながらも、ソリッドな顔つきに変わっている。

湿気を帯びて少し鈍くなりながらも、しっかりと揺れる生地。

あぁ、この生地は晴れの日よりも、浮かない空模様の方が似合うんだなぁ。そりゃそうか、水に強い麻と肌あたりの軽いオーガニックコットンのコンビだもんな。って思ったわけです。





今季春夏からローンチとなったsatou。

お店でも何人かの方にお伝えしたけれど、僕は今回のデビューコレクションが一つの最高到達点だと思っている。こうも世間に迎合することなく、ビジネス感皆無で、やりたいことに真摯に向き合えるブランドは少ない。

だからシーズン内に無理に売り切ろうとも思っていないし、セールにかけるつもりもない。残るのであれば何年でもこの店に置いておきたいと思ってる。

だからこの記事を読んで買って貰いたいってわけじゃなく(もちろん気に入って頂けたらなら最高に嬉しいけれど)、こういう側面があって、こういう素敵なブランドなんですよってことが一人にでも多く伝わると良いなって感じです。





因みにこの麻の葉柄の生地は、デザイナーである佐藤さんの幼少期の記憶まで遡り、小さい頃にお母さまとお婆さまが手織りで作っていたタペストリーに起因している。

その記憶からオリジナルで生地を起こした、熱い情熱と大層な開発コストが掛かった生地なんです。

来季秋冬の展示会の時、この生地を使って次はどんなアイテムを作るんだろうなと楽しみにしながら会場へ訪れたところ、佐藤さんはまた別の素材で麻の葉柄の生地を作っていた。

「新しく作っちゃいました。笑」

この人は本当に変態だなぁと思った。




satou - Hatake wide pants, kinari


そんな人が、熱心に作り込んだ服。良くないわけがない。素晴らしくないわけがない。


satouという作り手そのものが、皆様の琴線に触れてくれることを祈って。


ぜひお店で手にとって、加えてもう少し伝えさせて下さい。




Special thanks : 孫 兆軒 / @choken_son


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𝐂𝐎𝐄𝐋𝐀𝐂𝐀𝐍𝐓𝐇


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[ mon, tue, fri ] open 14 - 20

[ sat, sun, holi ] open 13 - 20

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水曜日、木曜日の他、営業時間外につきましてもアポイント制でご案内可能です。


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